ウイングキットコレクション vol.9 WW II 初期戦闘機編
エフトイズ

2. 96式艦戦


これも小さいながら良い出来のモデル。
主翼上面に有る「ノルナ」のタンポ印刷なんて、細かくて凄いです。

[追記]
モデルは、風防の形から判断すると
96式2号2型艦戦 後期の開放式風防型のようですが、
「B.」と「C.」のモデルでは風防の上部が少し丸みを帯びており、
96式4号艦戦のものに近い形状になっているようにも見えます。
(でも、前側面の窓が三角形に近く、これが台形に近いSWEETの
96式4号艦戦のパーツとはチョッと違うのですけど……)


A. 96式2号2型艦戦 第12海軍航空隊 第2飛行隊 3-108号機
青木恭作 1等航空兵曹 搭乗機 昭和13年 中国大陸


こちらは寿3型エンジンを搭載し、
太い胴体やカウルフラップ付きカウリングが特徴の2号2型艦戦。
パイロットに不評だった密閉式風防を廃止して、
開放式に改めた後期型の機体です。

標準の全面銀塗装が施された機体で、
内地の部隊なのでワニスを塗っていないという考証なのでしょう。

この「3-108」号機は、昭和13年10月15日に
羽田飛行場で献納された、報国-212「帝國生命號」。
坂井三郎 二空曹が搭乗した4号艦戦の「3-107」号機と
二機編隊で飛んでいる写真が知られている機体でもあります。

また、第12海軍航空隊が部隊記号「3」を使用していたのは、
昭和13年~16年 9月とのことです。

他に、第14海軍航空隊 9-122号機のデカールが付属しています。



B. 96式4号艦戦 「蒼龍」飛行隊(W-103) 報国-266 (岩井號) 三番機
大石 英男 二空曹機 昭和13年末~14年末 厦門港/中国・福建省


こちらはエンジンを寿41型に変更し、風防の形状も改良した
最終生産型の 4号艦戦です。

全面が金色に輝く美しい機体。
これは、昭和13~14年に空母搭載機で塩害防止のために
銀ドープ塗装の上から腐食防止用の
ワニスを塗ったアルマイト色なのだそうです。
太平洋戦争初期にも、この塗装で実戦参加していたとのこと。

他に、同飛行隊 W-102号機(報国-261号機、二番機、
「ヒゲの羽切」で有名な 羽切 松雄 一空曹機)の
デカールが付属しています。

W-102号機、103号機共に、
SWEETのキット「九六艦戦 蒼龍戦闘機隊 1938-1939」に
デカールが付属していますね。



C. 96式4号艦戦 霞ヶ浦航空隊 カ-105号機
昭和18年秋頃 茨城県 霞ヶ浦基地


こちらは日本機おなじみの濃緑色/灰色迷彩。
訓練機として使用されていた頃の機体です。

この機体が写っている写真では主脚カバーが暗く見える為、
これも濃緑色に塗られているとの説が有るようです。



C. 96式4号艦戦 霞ヶ浦航空隊 カ-107号機
昭和18年秋頃 茨城県 霞ヶ浦基地


「カ-105号機」と同じ写真に並んで写っている機体。

この写真では こちらの機体は胴体後端覆いを短くし、
尾脚柱上部に吹き流し射撃標的の曳航索取り付け金具を
追加した改造が施されているそうです。
(モデルでは そのまま……)


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